先日、白い布があばら家の入り口にかかっているのを見ました。最初はTシャツを干しているのだと思いましたが、人為的に木の棒にしっかりと括りつけられていたので、それが現在行われている『白旗運動』だと気づきました。

今日まで、一か月と十一日続いているロックダウン。解除要件の一つは、一日当たりの感染者が4000人を下回ることなのですが、昨日の感染者数は9千人台。ロックダウンの無期限延長が政府から発表されたとき、私を含む多くの人々は落胆し、いつか来るロックダウン解除の日を待つことになりました。

一方で、友人たちは経済的に困窮する人々への支援活動をより積極的に行いはじめました。今支援を必要としている人たちにとって、『いつか』を待つのは過酷すぎると知っていたからです。

さて、先の白旗は、『経済的に困窮していて支援が必要だ』という意味を表します。SNSでは、勇気をもって助けを求めて、という合言葉が広がり、その旗を掲げた家庭には、近所の方や寄付を行う方から支援物資が運ばれるそうです。白旗には降参したという意味ではなく、困難な状況にあっても恥じることなく一緒に乗り越えていこうという意味が込められています。

現在のマレーシアは自助、共助の精神でこの困難な時を乗り越えようとしていますが、国や自治体の公助が不足しているのは痛切に感じます。イスラム教にはザカートという義務的な喜捨の教えがありますが、共助が救える範囲にも限界があるため、公的な組織が最後のセーフティーネットとしての機能をしっかり果たしてくれれば…と思います。

地方に住む友人の一人は、ボランティア活動に積極的に参加していて、フードバンクで企業や個人から寄付された食材を、助けが必要な人へ届ける活動を行っています。しかし、現状はそもそも配布する食材が十分とは言えず、オムツや生理用品などの生活必需品までは手が回らないそうです。

このような非常時には、ひとまずお腹を満たすためのお米や油、ビスケットなどが優先されるため、生理用ナプキンなどは寄付量が少ないそうです。東日本大震災の時も、生理用ナプキンの必要性(衛生用品なので必需品なんだけれども)が十分認識されず、後に問題となりました。見えにくいだけで、支援が必要な生活必需品はもっとあるのだろうと思います。

また、貧困は身近にあるのだと感じた出来事は他にもあります。私の通う大学には非公式の掲示板があり、匿名で意見を述べることができるのですが、『経済的に苦しくて、寮費を支払うことすらできない』であったり、『今の新卒にとって、仕事を得るのは非常に困難。募集がそもそもなかったり、スキルのない人は応募できなかったり…』という切実な声も聞かれました。

また、私の周囲でも困窮や鬱屈した感情が原因で、思い詰めた行動を取ろうとした人たちもいます。その知らせが届くとき、私はたまらなく虚しさを感じます。そして、私は自分自身を守るために、この国のことを過度に我が事として捉えないようにしました。そんな時、私はあくまでもこの国では単なる『外国人』であることを実感します。私には帰る国があり、何不自由なく育ててもらっていると気づかされます。結局、そんな捉え方をしても、仲間に対して同情や虚しさを感じずにはいられません。

ロックダウンが長引くにつれて、政府の対応に対する批判も高まっています。私は大学で一年ほどしかマレーシア国内政治を学んでいないので詳しい内容には触れませんが、与党への批判、過度なロックダウン政策への対抗を示す人は、黒旗を掲げています。

SNS上では政府の対応への批判は比較的散見されるのですが、実社会でこの旗を掲げている人を私はまだ見たことがありません。やはり、クアラルンプールは都会と言えど、密接な近所づきあいが残っている場所も多いので、自分の政治的立場を公に、しかも家の前で示すことはやや憚られることなのかもしれません。若しくは、単に私が与党の地盤となっているエリアだけを生活圏にしているのかもしれません。どちらにしても、旗をあげる、声を上げるという行為には大きな勇気が必要です。

このほかにも、赤旗を掲げている家庭もあります。政治的な意味合いの強そうな目印ですが、この旗に政治的意味はなく、『飼育している動物の餌が不足している』という意味を表します。ペットの犬や猫も家族の一員とはいえど、まずはその家庭の子や親のお腹を満たすことが優先されるため、ペットフードを購入できない家庭もあります。その場合は赤旗を掲げ、近所の方や動物保護活動を行う団体から支援が来るのを待ちます。

様々な色の旗を『勇気をもって』あげる人達が一人でも多く、今日一日、空腹に苦しまず、生理用品やオムツの不足に困りませんように、と願い、私もチャリティー活動を行ったり、少しばかり寄付をしたりしました。

ロックダウンがもたらしたものは何だったのだろう、と一か月引きこもり続けた部屋の中で考えます。

痛みを伴う判断を下さなくては、経済も医療も共倒れになることは理解していますし、この国の医療キャパシティが逼迫していることも知っています。世界を見ても、ある国は経済にベクトルを向け、ある国は医療を守ることに残りの体力を振り切っていますが、何が正解かは誰にも分かりません。私は『いつか』この波が鎮まる時が来るのだろうと信じています。しかし、その無期限の約束のために、毎日を乗り越えていくことだけが精いっぱいの人もいることを痛感しました。
『降参するわけじゃない、共に戦うための白旗だよ』という友人の言葉が今でも耳から離れません。




参考



 




どうもお久しぶりです。サイです~もう七月になりましたね!期末、終わりました~~~!

はぁ、長かった…。二科目受けたのですが、政治学の問題は例えていうなら以下のとおり。原文は載せられないので、ちょっと変化させてます。
あなたは高度な民主主義を持つA国のリーダーです。今、あなたはコロナ対策に苦戦し、野党から責任追及されています。政権支持率も下落し、辞任の危機に追い込まれています…
1)今後の政策を立案せよ。
2)デジタル民主主義の観点から支持率回復のための政策を立案せよ。
3)権威主義は疫病対策に適しているか。
みたいな感じ。この講義の教授は授業で10分も発言されないような方で、生徒にテーマを与えて講義をさせて議論を行ったり、毎回異なる政治関係のゲストレクチャーを行うなどユニークなスタイルでした。こんな授業スタイルをするのは、本当に珍しいです。(よく、海外の講義は相互的、といいますが、私の経験では実際は暗記がめちゃくちゃ多いし、一方通行の講義もまだ多いですけどね…)

自分で調べて、講義を作らなければ授業が成立しなかったので、実に学びの多い学期になりました。

次に、政治経済はざっくりいうとこんな感じ(原文はもうちょっと複雑かも)。
あなたは以下の条件の後進国のリーダーです。
国際収支赤字、インフラの未整備、それに伴う外国直接投資の誘致の困難という問題を抱えています。
1)どのような経済政策を取るべきか。
2)融資を受ける場合に利用する機関と最適なプログラムを答えよ。
3)国際通貨基金の課題について検討せよ。

みたいな感じ。2は、世界銀行と国際通貨基金(IMF)が利用する機関で、IMFから融資を受ける場合は借入国は財政緊縮などの政策、通称SAPを飲む必要があるんですね~。だから、プログラムとしては、内部調整(公社の民営化、自由経済の条件とか)、外部調整(通貨の切り下げ、外貨流入のための関税政策)、相場の管理と、などまあ色々あるので、それらの利点とリスクを書いたら、まあ、要点は押さえている…はず。
3は、IMFの構造上の欠陥と、アジア通貨危機で痛みを伴う政策を強いられた、韓国のことをケーススタディとして根拠にまとめて書きました。出生率が1を切っていることにも言及して、今日までの影響を書きました!

まぁ、点数はいいや…。今学期を完走したことを褒めたい。とりあえず、おあずけにしてた、韓国ドラマ見よう(笑)

さて、今日は病院に行ってきました。以前入院した理由と同じ原因でした(萎えた)が、まあ初期段階だったので、今回は服薬と検査を続けて管理することになりました。来週また検査ですが、外に出るいい理由になります。お医者さんが、私の大学名を知って『お、UMなの、いい大学だよね。良い場所だよ本当に』と言っていました。マラヤの卒業生のお医者さんは、必ず、いい大学に来たね、と言ってくれます。卒業生コネクションが強いのは安心要素ですね~(笑)

一か月ぶりの娑婆は、空気が美味しかったです。帰りは、ホットドッグを買って家で食べました。外の世界は情報が多く、なんだか刺激が強すぎてとても疲れました。病院にかなり時間がかかったこともあって、帰宅してご飯を食べた後は即お昼寝。三時間ほどぐっすり眠れました。

昨夜は痛みで寝るタイミングを逃したので、結局三時ごろまで民主主義と少女漫画についての新書を読んでいました。面白い切り口です。あと、鉄道はなぜ風で止まるのかという疑問に、鉄道史と地理的条件から答えを出す面白い本も読んでいます。

そうそう、マレーシアの昨日のコロナ感染者は6900人程度だったかな。ロックダウンは感染者4000人/日を下回り、かつ国民の10%のワクチン接種完了になるまで終わりません。最も重要なのは、ICUの利用率が回復し、今の危機的状況を脱することですね。
出口戦略の最初の関門が厳しいので、国民のモチベーションが下がらないといいなと思います。

政治学の設問1に通じる現状ですね。あなたは国家のリーダーです。まぁ、こんな問題以上に正解のない問いはないと思います。難問だね!!!

お!雨がやみました。ちょっと散歩に行こうかな。じゃあね!

どうも、今日は五時に起きたサイです。気を抜くと夜更かししてしまうので、もう早起きを習慣にしたいです。

ロックダウン中は食事が貴重な娯楽なので、今日はベトナム料理を注文しました。ロビーに下りると、配達員のおじさんに『サイ!ミスサイゴンのご飯?』と聞かれました。私が注文したお店は、スーパーサイゴン(強そう)だったのですが、ミュージカルの影響で、ミスサイゴンって言ってしまうんですよね。分かります。

わざわざ追加料金を払ってパクチー盛りだくさんにしたチキンのフォーは、とてもおいしかったです。ちょうど、ロビーの近くで草刈りがあって、そこの芝の青臭い感じと、パクチーの香りがほぼ一緒でした(笑)あと、もやしが入っていたのですが生だったのでこれもまた香る。自然の恵みというか、体にいいだろうなぁとぼんやり思いました(笑)やはりパクチーは素晴らしい食べ物です…!


さて、先週の日曜は父の日でしたが、私が注文した父の日(母の日含む)のプレゼントが無事実家に着いたようです!アルバイトで貯めたお金で、台湾パインを12個送りました。20キロくらいかな。

中国が台湾パインに禁輸措置を取ったのは三か月前のことですが、その時から何か私にできることは無いだろうかと思っていました。私には台湾大学の友人が多くいるし、そのうちの一人がパインの名産地南部出身なので、特にその気持ちが強く、パインを買うことにしました。

20キロも食べ切れないのは分かっていたので、お裾分けする前提で。なぜ、台湾パインが輸入されているのか、というところを考えてもらうきっかけになればと。美味しいと口コミが広がった後で、商機を逃すまいと取り扱いを始めたスーパーもあるようで。パイン一つを取ってもいろいろ考えることがありますね。ソフトパワーを実感します。

一方で、中国の市場では、台湾のパイナップルがマレーシア、フィリピンなどの東南アジア産に置き換わっているようです。特に、輸送コストが低いので、マレーシアのパイナップル農家にとっては降って湧いたような良い話だったと思います。私も以前、一玉100円の小ぶりなパイナップルを4つ買って食べてみましたが、甘くておいしかったです。流石に食べ過ぎで、舌が痛くて痛くて仕方なかったですが。


教授が、自分が食べているものについて、なぜそこにあるのか、どうやってその国へ来たのかを考えてみて、と言っていたのを思い出しました。

この投稿も一つの例かもしれません。



自由を擁護する者として、台湾のドライパイナップルを楽しんでいます。チェックメイト。


どうも、期末試験前の一週間の勉強週間に入ったサイです。私は今学期取っている科目が7科目あるのですが、既に5科目で期末試験を終えているので、この一週間はぐーたらお休みモードです(笑)

ぼちぼち残り二科目の過去問を見ながら勉強せねば…と思うのですが、今日までは自由に過ごしていました。以前のブログにバイオリンの弦が切れたと書きましたが、無事E線を張り替えることができました。(最初C線って書いていたwそんなものはない)そして毎日、kindleでたくさんの本を読めているのでとても充実しています。普段なら読まないジャンルの小説も、活字欲しさに開いています。ミステリーとか歴史ものとか、紀行文学とかね。楽しい。


また、時々ネットショッピングもしています。タオルとか、シャンプーとか生活用品が中心です。日本から持ってきたタオルが減ってきた理由は、一枚は干している間に茶色い虫の産卵場所にされていた為(マレシーアでは常識が簡単に壊されます)、一枚は水たまりに落としてどろんこになってしまった為、また一枚はバスマットになった為です。そんな事情でタオルが減ったので、500円くらいの白いタオルを数枚買いました。ホテル仕様と書いてありましたが、ホテルもピンキリなのであまり期待せず待ちます(笑)

シャンプーは今使っているのと同じ日本のアミノメイソンを買いました。シャンプーとコンディショナー、ヘアパックのセットで3000円くらいです。日本で買っても確かそれくらいの金額だったと思います。香りがよくてシャワータイムが楽しくなります。

去年はフルカラーを三回もしたので、今はそのツケを払っています。また、水が硬いのと強い紫外線のために髪の傷む速度が速く、二重苦三重苦です。ロックダウン明けたら、まずは傷んだ毛先を落としたいです!


今買おうか迷っているのは、台湾のドクターズコスメブランドのDr Wuの基礎化粧品です。日本から持ってきた化粧水はもうそろそろ無くなるので、買おうか迷っているのですが、ちょっと高い気がします。どちらも4000円ほど。







アルバイトをせず、学費も生活費も自由にお金を使わせてもらっているという身分なので、大きな後ろめたさが買うのを躊躇させます。また、肌荒れリスクを考え、変に冒険せず、使い慣れた日本のメーカーを使う方がいいのではないか…とも思います。

ん~~~私は肌が強くないので、買わないかなぁ。でも使ってみたかった。

ま、我らが花王のビオレ買おうね。

いいダジャレが見つかったので寝ます、おやすみ。

どうも、サイです。現在の時刻は午後二時。二時間後には政治経済学の講義があるのでスライドに目を通さな…と思っていますが、朝からエッセイ課題をしてたので、ちょっと一休み。


先日、突然荷物が届きました。送り主はO、しばしば深夜までテレビ電話をする友人でした。開封すると、中には福建省の餅茶が入っていました。



その時、なぜOがこれを贈ってくれたのか分かりました。以前、いつものように話をしているとき、私が台湾に行ったことを話したんです。

私は母について夏の台北へ行ったのですが、私は時間を潰すため台湾大学構内をぶらぶらしていました。その時、構内で何種類か中国茶を飲みました(暑かったのでずっと飲み続けた)。それが美味しくて。また別の日にはお茶屋さんでたくさん茶葉を買いました。しかし、私はそのお茶の名前が分からなかったので、Oには『フリスビーの形の美味しいお茶飲んだ』と話していました。

Oはああ、フリスビーって餅茶のことか、と分かったようで、サプライズで送ってくれました(笑)それは2019年の夏のもの。私は今すぐ飲みたい衝動を抑えて、おめでたいことがあったら開けることにしました。ワインみたいにね!



さて、その後はオーラルテストがありました。テーマはざっくりいうと『政府は高等教育にどの程度資金を投入すべきか』という内容。政治家、教授、金融業界代表、保護者、生徒役がその場で決められて議論を行いました。私は生徒役でした。

あとは野となれ山となれ精神のおかげで、思う存分喋ることができました。私は、『私の経験では~』という表現で色々話したため、試験のあとに教授から『サイって本当に~なの?』と聞かれました。その試験では作り話に信ぴょう性をもたせて話していただけなので、全部嘘ですと言いました(笑)

教授が、この議論では内容よりも議論方法を見るから、内容は自分で勝手に作った話でいいよ、と言っていたのでそうしたまででした(笑)噓かホントか分からない、嘘。

楽しかったです。


さて、勉強に戻りますかね~。今日の講義は今学期最後の講義になりそうです。
マレーシアに来てから約5カ月が経とうとしていますが、そんなに時間が経ったのか、と感じます。毎日勉強と運動と音楽に必死で、とても充実していました。

一週間のテスト習慣を挟んで、翌々週からはついにファイナルです!!!

かかってこい!

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